まじめとは?

迎賓館に行ってきました。

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三年間の修復期間を終え、ようやく今年から特定の期間のみ観覧ができるようになりました。

やや扁平で小規模な感は否めない宮殿ですが、片山東熊の持ってる作家性という
か、明治の人たちの捉え方というか、いろいろ含めて一度見てみたかった建物です。宮内庁お抱え的な立場だったため片山東熊の作品は同時代の建築家(造家)の中でも、現存するものが多く、手入れも行き届いているものが多いため、見させてもらっている側としてはとてもありがたいです。





「日本建築様式史」に『空白のメダリオン』(うろ覚え)というコラムが載っていましたが、内容的には借りてきた構造の中にどのような装飾を与えるかといった、明治から昭和までの軌跡を振り返ったものですが、明治末完成の赤坂迎賓館はメダリオンやペディメントの飾りにもまだ意欲的に取り組めるような時代だったと思います。


要は西洋風な意匠を和風に交換していくわけですが、正面玄関上の両側の屋根飾りに甲冑がのっています! 元々東宮御所として建てられた建物ですが、この時代すでに武家の象徴たる鎧が載っているというのが、対外的にステレオタイプな日本を演出しようというような意図も感じられて不思議な印象でした。


ちなみに同じ片山東熊作品の京都国立博物館正面入り口のペディメントには、技芸天と仏教の毘首羯磨(ビシュカツマ)の像が入ってます。たしか木彫で制作してから石に彫っていくという、大変まだるっこしい制作方法でした。当時はそれほど石彫は一般的ではなかったんでしょうか。皇居前の楠木正成像も木彫が一度制作されてから、銅像が制作されていたような気がします。


どこから正当性を調達してくるかに真剣に悩んだ様子が幕末、明治を生きた人らしく、どの建物にもまじめさというか、実直さがあって見ていて面白いです。


10年の歳月をかけて完成させたあと、明治天皇に「贅沢すぎる」の一言で病気がちになるあたり、それだけ心血を注げる対象があったということ自体が、モノを作る人間にとっては幸せだったのかもしれないな。と思う今日この頃。


あいにく曇っていたため建物に陰影が落ちず、スケール感が伝わりづらかったのですが、類に漏れず、日本人が作ったクラシシズムは鈍重な印象を与えるわけです。ですが同時代の建築家が建てた、これまた鈍重なゴシック系の建築に比べれば風格があって、これはこれで見応えがあるなと感じました。

イスラム風の東の間(喫煙室)が見れず残念。

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 「左・アンヴァリット廃兵院」「右・迎賓館」
 建物全体を撮りたい場合は近隣の高層建築からがおすすめです。
 下の写真よりもっと良いアングルがあると思います。
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http://shinomiya.main.jp
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by shino-miya | 2009-08-12 19:37 | 建築物


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